奈良の広陵町からyahaeのものづくり
先日、奈良の広陵町にyahaeの展示会、工場見学に伺いました。
初めての広陵町。どんな町であの靴下が生まれているのか。履き心地へのこだわりをうたう背景を直接見ていきます。
降りたのは大和高田駅。初めての町にわくわくしながら、送迎していただきまずは旧工場へ向かいました。

趣ある家屋の中に旧工場がありました。外観は特別工場の雰囲気があるわけではなく町並みに馴染んでおり、美しさを感じます。
中では展示会が行われており、そこには現役を引退した編み機がありました。どれも細かなパーツ一つ一つ使い込まれた魅力に惹きつけられてしまいます。そして来年の新作はすでにほしいものばかり…色味や編みの質感が楽しいもの、染加工などこだわりの靴下。PUKKERUSSEなりの提案をしていきたいと思います。

もうひとつの目的、工場見学。編み機のイメージは持っていましたが実際の動いているところを見れるのは楽しみでした。旧工場から徒歩で向かえる距離にあり、道中も歴史ある家を見てるだけで楽しい。
工場に入り、まず驚いたのは編み機の種類と数でした。ずらっと並んだ編み機は旧工場で見たものもありました。いまだに現役で動き続けているのです。ここでは古いものから新しいものまで多くの編み機を紹介していただきました。新しいからいいということではなくそれぞれの良さがあり、作りたい靴下に繋がるもので使い分けています。
最初に紹介いただいたのは古い国産の編み機。すでに編み機自体の製造は行っておらず、新しいものは出てこないのです。修理するにも部品もほとんどなく、動かしている方がなんとか直しながら稼働しているよう。ときにはパーツを作ることも。なぜそこまで古いものを使うのか。
yahaeの靴下を作っているヤマヤさんは先代社長さんから履き心地に深くこだわっていて、いいものしか作らないと脈々と今まで受け継がれてます。長く続くものづくりから得た経験から履き口の心地良さこそ、いい靴下に繋がっている。その理想の履き口を編めるのが現在長く使われている編み機だそうです。

その編み機から筒状に連なる靴下は職人技で糸を抜くと驚くほど簡単に分かれます。最後は折り返しつま先部分を縫い付け戻せば靴下の完成。最後は手作業で行われているんですね。画像の右側が国産編み機の履き口ふわっと仕上がっています。

次は新しいイタリア製の編み機。こちらは業界で革命が起きた代物。見た目も一気にハイテク。なにが革命なのかといいますと、全自動ですべて作ってしまうようで先ほどの手作業で縫い合わせる工程はこれまでの編み機ではできなかったのです。この編み機はそのつま先部分の合わせができてしまいます。そして縫い合わせではなく、編み合わせ。筒状の靴下本体のつま先ふちを細かく網目のループを取りそのループに糸を通すことができてしまうのです。何言っているかわからないですね。

画像のように一本一本ループを取っています。とても細かい!この編み合わせによってつま先がフラットに仕上がります。従来はひっくり返して縫い合わせるためやや生地の重なりを感じるようです。こういった面でもそれぞれのよさを感じますね。
つぎはヤマヤさん最古の編み機。イギリス製50年代のものでとてもシンプルです。こちらはなにより黙々と編み続ける職人気質な編み機でほとんど止まることなく靴下を作っています。作る靴下はセーターのようにふっくらとボリューム感あるもの。

もう存在自体が珍しくパーツも代用が効かないようです。現在は動かなくなったもう一台からパーツを移植し、頑張っています。こちらが感情移入してしまうほど働いている方たちに愛されています。佇まいも渋いです。

最後は最新も最新。イタリア製の編み機です。こちらは先ほどの革命児がさらにパワーアップしたもの。編み物で最難関のアーガイル柄が編める恐ろしいルーキーです。その難しさの表現の中で担当してくださった方が言っていました。当時恋人にプレゼントを渡す際、どうしても手の込んだ編み物を作りたい。その中で選ばれるのがアーガイル柄。編みの技術がすべて入っており、大変喜ばれていたそう。またその難度の高さから貴族も好んで身に着けていました。その難しいアーガイル柄ですが、ルーキーはとんでもないことをしています。。。

細かいことですが、ひっくり返したとき、表裏がほぼほぼ見た目変わらないのです。ふつうの柄物は該当部を糸が渡って作られます。ですがこちらは糸を変え編んでいます。その分柄物にもかかわらず、厚さがでずにすっきりと履けます。なんともアーガイル柄の品の良さと作りがあっています。現在作られるものでこのクオリティは本当にすごい。

そしてこれをすべてこの編み機で完了してしまうのです。案内していただいた方曰く、働きたくないイタリア人の集大成だそうです。これ作るのにすごく働いていると思いますが、、、
ここまで見ていただいた通り、良い機械を使いたいのではなくいいものを作りたい。終始これに尽きていて一貫したものづくりを体感しました。改めてこれがいいと思う、ものづくりを芦屋川から提案できたらいいなと思いました。
yahaeのAWも近日中に入りますので楽しみにお待ちください!
